KelpDAOがLayerZeroを提訴、今年最大の2億9200万ドル流出の責任をめぐり
イーサリアム上のサービスKelpDAOが、ブロックチェーン同士をつなぐ技術を提供するLayerZeroと共同創業者を訴えました。4月に起きた約2億9200万ドルの流出事件の責任を問うものです。
この記事の要点
- KelpDAOは、LayerZeroが技術の弱点を開示しなかったと主張している
- 4月22日の事件ではrsETH11万6500枚(約2億9200万ドル)が流出した
- LayerZero側は「訴えには根拠がない」として争う姿勢を示した
何が起きたか
イーサリアムのリステーキング(預けたETHをさらに活用する仕組み)サービスKelpDAOは9月25日、LayerZeroと共同創業者のブライアン・ペレグリーノ氏をカナダ・ブリティッシュコロンビア州の裁判所に訴えたと発表しました。
KelpDAOは「流出はLayerZeroの落ち度、特に自社技術に内在する弱点やリスクを開示しなかったことが直接の原因だ」と主張しています。これに対しペレグリーノ氏は「訴えには根拠がない。バンクーバーで争う」と反論しました。
4月の事件とは
4月22日、KelpDAOの「ブリッジ」(別々のブロックチェーン間で資産を移す仕組み)が攻撃を受け、rsETHというトークン11万6500枚、約2億9200万ドル相当が流出しました。北朝鮮系のグループによるものとされています。今年最大の流出事件です。
影響は1つのサービスにとどまりませんでした。
- DeFi最大の貸し借りサービスAaveが、引き出し需要に応えるため3億ドルを借り入れた
- 数日のうちに、DeFi全体の預かり資産(TVL)が200億ドル減った
なぜ大事なニュースなのか
DeFiのサービスは、ほかのサービスの技術を部品のように組み合わせて作られています。便利な反面、どこか1つの部品に弱点があると、つながっている先まで被害が広がります。今回の訴訟は「その責任を誰が負うのか」を問うものとして注目されています。
KelpDAOは事件後、rsETHのブリッジをより安全な方式に移したとしています。
確認しておきたいこと
- ブリッジは攻撃されやすい場所の1つ。使う前に、仕組みと過去の事故を調べる
- 「預けて増える」サービスほど、裏側で多くの仕組みがつながっていることが多い
- 海外のDeFiでの損失は、日本の制度で守られない場合がある
裁判は始まったばかりで、どちらの主張が認められるかは分かりません。ただ、DeFiの事故で「技術の提供者」と「サービスの運営者」のどちらが責任を負うのかは、これまであいまいなままでした。今回の訴訟の行方は、今後のDeFiの設計や、サービス同士の契約のあり方にも影響するかもしれません。
もとにした報道
- CoinDesk「KelpDAO sues LayerZero and CEO over $292M rsETH bridge exploit」(2026.09.25)
海外の報道をもとに、3-NEWS編集部が日本語で独自にまとめています。
この記事は情報の整理と学習のためのもので、特定の暗号資産・金融商品の売買をすすめるものではありません。暗号資産は価格の変動が大きく、損失が出る可能性があります。